板橋区大山の司法書士事務所「城北法務司法書士事務所」

相続・遺産分割・遺言・売買・贈与・抵当権抹消・会社登記・成年後見・裁判などの各種ご相談は、お気軽にどうぞ。

  TEL 03-3958-8070
  (営業時間:平日9:00〜18:00)
  〒173-0023 東京都板橋区大山町24番4号 安藤ビル1階(大山ハッピーロードすぐ)
親族後見における信託制度と監督人

親族後見における信託制度と監督人

先日、「遺言の誤解を解きます」と題して、遺言について一般に
誤解を生じているかもしれない点をいくつか挙げましたが、
成年後見制度についても、同様に誤解等から来る苦情や不満をメディア等で
見聞きすることがあります。
そこで、今回は成年後見制度の中でも特に親族の方々にとって不満が
多いと見受けられる「後見制度支援信託」「監督人」に焦点を当てて、
その概要をご説明していきたいと思います。

親族の方が、自身の親などの後見人になっている場合(親族後見人)、
ある日、家庭裁判所(家裁)から「後見制度支援信託」を利用するよう
促されたり、「監督人」が付けられたりすることがあります。
※実は、親族後見に限らず、弁護士・司法書士でも同じなのですが・・・。

<後見制度支援信託とは>
後見人が管理する本人の財産が、ある程度高額の場合、日常生活に必要な金額だけ
後見人の管理とし、残りは信託銀行へ信託する制度。

<監督人とは>
後見人の事務を監督する人。後見人が作成した財産目録等をチェックしたり、
通帳の入出金をチェックしたり、ときには後見人の代わりに本人のために契約等を
行います。また、後見人の相談に乗ったり、補佐することもあります。

両者ともに、適切な後見事務のために行われることですが、はっきり言ってしまえば、
後見人の横領を未然に防ぐことが最大の目的であると思います。
であるならば、きちんと真面目に後見事務を行っている後見人が信託を促されたり、
監督人を付けられるのは理不尽だと思われる方も多いと思います。
しかし、これは、後見人がちゃんとやっている、いない、ということではなく、
一定の財産額を基準として、ある程度一律で行われる家裁の運用のようなので、
多くの場合は、親族後見人を疑っているということではありません。
その辺の説明や周知がまだまだ不十分なため、親族後見人の方々にとっては、
自分の仕事を否定されたようで、なかなか理解できないところなのかも知れません。

また、監督人が付く場合、大抵は弁護士や司法書士が選ばれますが、監督人には
毎年報酬が発生します。報酬は、年に一回、家裁が決定します。監督人から報酬を
請求された場合には、後見人が本人の財産からそれを支払います。
報酬は、監督人が一年間で行った事務の内容にもよりますが、大体十万円〜数十万円と
なることが多いようです。
しかし、親族後見人の中には、何でたいして仕事もしていない監督人に毎年
そんな高額な報酬を支払わなくてはならないんだと、納得されない方も多いようです。
監督人の仕事は、親族後見人からは見えづらいものであるがゆえに、無用な対立関係を
生み出してしまうというのは、とても残念なことです。
親族後見人に対して、家裁や監督人(弁護士・司法書士等)が一番最初に
監督人の仕事や報酬について丁寧に説明を行い、また、親族の方と監督人の間で、
常日頃から緊密に連携して良好な関係を構築することがとても大切ですね。
とは言っても、報酬の話に限らず、親族後見人、監督人ともに相性が良い悪いはありますから、
どうしてもうまくいかない場合は、監督人を変えてもらったり、監督人の方から辞任することもあり得ます。

日本の成年後見制度はまだまだ発展途上だと思いますし、私は今の制度が完璧だとは
全く思っていません。
しかし、現状の制度下で後見制度に携わるのであれば、制度全体をより深く知って頂きたい
と思いますし、それを知る機会として、セミナーや講習会などが頻繁に開催されていますので、
是非ご興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
※ちなみに司法書士団体は親族後見人向けの後見人養成講座などを定期的に行っています。

« »